テクニック講座:人物が透ける!ゴーストショット(GS)の撮り方

皆さんは、「人物が透けて半透明になっている」という写真を見たことはありますか?
多重露光のテクニックのひとつなのですが、私はこれを「ゴーストショット」(略してGS)と呼んでいます。
ぜひ、この独特な雰囲気を持つ写真を撮ってみましょう。けっこう簡単にできちゃいます♪

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作例(カメラ…Holga、フィルム…コダックPortra800、現像方法…ネガ現像)

この写真は、公園にて人物を撮ったものです。人物部分が半透明になり、まるで幽霊か何かみたいに見えてちょっと不思議ですよね?これは三脚を使って同じ場所で二回露光したものです。なんだか難しそう?いえいえ、実はかんたんに撮れてしまうんです。
それでは今回はこのゴーストショット(GS)を撮るためのコツを教えますね。

【必要なもの】
1. カメラ
Holga、Diana、Belair、Horizon Kompakt、Sprocket Rocket、Konstruktorなど、多重露光がかんたんにできるカメラがよいです。LC-A+でも可能ですが、三脚に固定したときにカメラ底部のMXスイッチが動かせなくなることがあるので注意が必要です。
2. フィルム
基本的になんでもOKですが、ISO1600など高感度すぎるものは露出オーバーになる可能性があるの不向きです。
3. 三脚
必需品です。人物以外の風景部分がずれてしまわないように三脚を使う必要があります。もし持っていない場合は、手持ち撮影で2回続けて撮影しましょう。背景はぶれますが、それもまた面白いかもしれません。

【被写体選び】

被写体選びですが、人物が効果的に浮かび上がるための背景をうまく選ぶことが重要になります。最も気をつけるのは「人物と重なり合う背後の部分」です。この部分は、なるべくシンプルな背景にするのがよいと思います。例えば、街中や室内だったら明るくてシンプルな壁をバックに、自然を生かして撮るなら空やシンプルな地面をバックにするなど。あまりごちゃごちゃした背景を選ぶと人物が目立たなくなってしまうので注意しましょう。(もしそれがあなたの撮影意図ならばそれでOK!)

背景を選ぶ2-500
周辺・背景はシンプルに

【撮り方】

1. 一回目の撮影
※カメラはHolgaにて、フィルムはISO400のネガフィルム、天気は曇天の場合で説明します。
まず一枚目を撮ります。先に人物を入れて撮るか、後で入れるかはどちらでもいいです。今回は先に人物を入れています。カメラの絞り設定は「天気(晴れ)」にします。これは二回重ねて撮るため、露出オーバーになるのを防ぐためです(状況により変えてください。また古いHolgaではこの切り替えは意味を成しません)。三脚をセットして、構図を決めたら人物を配置します。人物の背後の部分は透ける予定なのでその点をよく考慮して配置しましょう。人物は体全体を入れてもいいし、上半身だけ(または下半身だけ)でも面白いと思います。

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1回目の撮影(人物ありで撮影)

2. 二回目の撮影
一枚目を撮ったらフィルムを巻き上げずに二回目の撮影を行います。カメラの絞り設定は一回目と同じく「天気(晴れ)」のままです。一回目とまったく同じ構図で、今回は人物は入れずに風景のみを撮影します。

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2回目の撮影(人物なしで撮影)

その結果、二つの画像が同じフレーム内でブレンドされ、一回だけ露光された人物部分は風景と溶け込んで半透明になって現れます。

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人物の透けた写真のできあがり!

以上です。かんたんでしょ?
撮影場所や天気、そして衣服の色や明るさが異なると写真の印象もがらっと変わってくると思います。私は神秘的でどことなく物悲しい雰囲気が好きなので曇った日(または日陰)をよく選びます。
HolgaやDiana、Sprocket Rocket、Konstruktor等の場合、そのまま二回続けて押すだけなのでこの技はかんたんにトライできます。LC-A+を使う場合は、カメラのポジションを動かさないようにMXボタンをスライドさせるアイデアが必要となります。LC-A+の場合は、フィルム感度がISO100ならISO200の設定で2回、ISO400ならISO800で2回、という設定で撮りましょう。露出を「抑える」ということがこの撮影方法の要となります。人物の透明度をあえて変えたかったら感度設定を調整してみてもいいでしょう。また三脚がなかったら手持ちで撮って少し背景がぶれるというのもアリだと思います。透明にする被写体はもちろん人物でなくてもいいので、いろいろ試してみるのも面白いですね。

ぜひあなたなりのアイデアで面白い「GSワールド」を作ってみよう!
Enjoy your GS life!

以下は、このテクニックを使った他の写真です。

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Holga/Kodak Portra800/ネガ現像

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Holga/Homemade Redscale800/ネガ現像

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Lomo LC-A+/Lomography X-Pro100/クロス現像

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Holga/Homemade Redscale800/ネガ現像

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Lomo LC-A+/Kodak UltraMax400/ネガ現像

※当記事は、私hodachrome/山本穂高がロモグラフィー上に投稿した記事を当ブログに掲載したものです(ロモグラフィーに確認済み)。日本人向けに加筆・修正等はじゃっかん加えておりますが、すべての著作権は私に帰属しておりますのでその点ご了承ください。
元の記事はこちら:ロモグラフィー:人物が透ける!ゴーストショット(GS)の撮り方 by hodachrome

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テクニック講座:ラッツアイビュー(ネズミ目線)ショットを楽しもう

皆さんは地面にカメラを置いて「ノーファインダー」で写真を撮ったことはありませんか?
これは「ラッツ・アイ・ビュー・ショット」(rat's eye view shot…ネズミ目線ショット)といって、暗い場所でもぶれずに撮影できる三脚いらずの気軽な撮り方としてロモグラファーの間で人気の撮り方です。
今回はこの撮り方を説明したいと思います。
ぜひネズミになったつもりで地上ゼロメートルからの豪快なローアングルの世界を体感してみましょう(^_^)


作例(カメラ…Lomo LC-A+、フィルム…Fuji Velvia100、現像方法…クロス現像)

この写真は、ロンドンの地下鉄の駅構内のトンネルで撮った写真です。
とても暗い条件でしたが、LC-A+を地面にセットして撮ることでぶれることもなくシャープに写っています。
このように、超ローアングルから撮ることで、地面を豪快に取り入れたあおり感のある写真になります。

1.カメラの設定
※カメラはLC-A+、フィルムはISO100のスライドフィルムを使用しています
ISO(感度)はフィルムの通り100で、距離モードは無限遠にします。(被写体・撮影意図により変えてください)

2.ロケーション・撮影ポイント選び
作例の場所は駅構内だったので、周囲の構造物の色や明るさ、デザインなどをよく見て選びました。
地面部分も半分ほど写り込むので、地面の模様や反射の有無・量など考慮に入れます。

Embankment station2
周囲をよくチェックする(iPhoneで撮影)

3.人をアクセントとして取り込む
この撮影のときは、人物を入れることで写真の魅力がよりアップすると判断しました。
周囲の色とコントラストを成すような色や明るさの服を着た人物を入れると写真によいアクセントが生まれてきます。

4.撮る
トンネルの中心に行きカメラをトンネルの「なるべく真ん中」に、そして進行方向に向かって「なるべくまっすぐ」にカメラを地面に置きます。(地面が安定していないとぶれてしまうので気をつけてください)
左手でカメラを固定して息を止めてシャッターを切ります。シャッター時間はやや長いのでぶれないようにしっかりカメラを支えていてください。

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地面に置いてシャッターを切る

以上です。かんたんでしょ?
地面が半分ほど写ったラッツ・アイ・ビュー・ショットの出来上がりです。
地面部分には周囲からの反射もしっかり写っていて遠近感が得られています。
作例では、カメラはトンネルの先に向かってほぼまっすぐに置くことができ、左右に大きくずれることなく撮影できています。
スローシャッターのため動いている人物は少しぶれますが、これが写真に躍動感を与えてくれています。

◆ちょっと応用
今回はカメラをそのままセットしましたが、地面の写り込みが多すぎると思う人には次のような工夫もぜひ試してみてください。
カメラの底に(レンズ側のほうに寄せて)、約1mmの厚さの小さな細い板を貼ります。(下の写真参照)
これでカメラの角度を少し調整することができ、地面の写る部分は少なくなります(上がより多く写ります)。

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角度の調整をする厚紙

下の写真が板を取り付けて撮った作例です。地面部分が画面全体の約3分の1ほどとなりバランスがよくなります。
被写体によってはこの撮り方も有効です。私はこの板を常備していていつでも使えるようにしています。

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板を使用した場合の写り方

◆他のカメラでもできます
この撮り方は、他のカメラでももちろん可能です。
私はLC-WideやHolga、Horizon Perfektでもときどきトライしています。(カメラの露出設定はそれぞれ異なります)
下が他のカメラでの作例です。画角や縦横比が変わることでまた面白い印象になります。

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Lomo LC-Wide/Fuji Velvia100/クロス現像

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Holga/Kodak Portra800/ネガ現像

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Horizon Perfekt/Lomography Negative400/ネガ現像

◆撮影方法 -応用編
そして恒例の応用編です(*^ω^*)
多重露光、フィルムスワップ、フィルムスープなどと組み合わせて、より面白い作品を生み出すことが可能です。
下がその作例です。

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多重露光(ラッツアイを上下対称に2回)

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多重露光(ラッツアイ+花と青空)

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フィルムスワップによる国際多重露光(ラッツアイと長時間露光)

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フィルムスワップによる国際多重露光+フィルムスープ加工

以上です(´∀`)

最初はどんな写りになるかわからなくて戸惑うかもしれません。
でも慣れてくると素早く狙い通りの構図が得られるようになりますのでぜひトライしてみてください。
もちろん屋内じゃなくてもどんな場所・場面でも気軽に使える撮り方です。
あ、男性諸君、女性が近いときにはくれぐれも変な人と思われないように気をつけてくださいね(^^)

※当記事は、私hodachrome/山本穂高がロモグラフィー上に投稿した記事を当ブログに掲載したものです(ロモグラフィーに確認済み)。日本人向けに加筆・修正等はじゃっかん加えておりますが、すべての著作権は私に帰属しておりますのでその点ご了承ください。
元の記事はこちら:ロモグラフィー:ラッツアイビュー(ネズミ目線)ショットを楽しもう by hodachrome

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テクニック講座:夜の世界を幻想的に写し取る

「長時間露光」は、夜の風景や暗い屋内などの世界をはっきり明るく写し取ることのできる定番のテクニックです。
被写体はいろいろ、たとえば夜の街並み・道路・トンネル・工場・日没後の宵闇・イルミネーションなどなど…。素敵な被写体は明るい日中だけでなく夜や暗い屋内にもたくさんあふれています。
なんだか難しそう?いえいえ、必要な装備と最低限の知識を身につければ誰にでもかんたんに素敵な写真が撮れちゃいますよ!

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上の写真は、LC-A+を使って、夜の高速道路上を走る自動車のライトを長時間露光で撮影したものです。
自動車やトラックが放つ様々な色のライトが線のように流れ、幻想的な光のシャワーを描いています。
難しそうに感じるかもしれませんが、実はそんなに難しくはありません。
それではこういった世界を撮るためのいくつかのTipsを紹介していきますね(^^)

【必要なもの】

1. カメラ( LC-A+ 、 Holga 、 Diana 、 Belair X 6-12 等、長時間露光の容易なカメラ。特にLC-Aのように解放絞り値が明るいカメラが適しています)
2. 三脚(必須)
3. ケーブルレリーズ(必須)
4. フィルム(基本的になんでもOKですが用途によって適切な感度のものを選んでください)
5. 小道具(ペンライト、時計、黒いマスキングテープ、電池の予備、防寒グッズ等)

1. 三脚・レリーズについて

まずは夜の撮影の必需品、三脚について。
これは必ず使用します。三脚は高価なものである必要はありませんが、安定感や一定の高さを得るためにはそれなりの大きさ・重量の物を使用することをお勧めします。特に、比較的重いカメラ( Lubitel 等)を使う場合は三脚にもある程度の重量が必要です。でないと写真がブレやすくなります。
レリーズも必需品といっていいでしょう。特に、上の見本のように10秒以上露光(バルブ撮影)をするようなときは必ず使います。専用のレリーズがない(クラシックLC-A等)の場合は、…う~ん、指を使ってがんばって押し続けましょう XD
「多少のぶれなんて気にしない、だってそれがロモグラフィーなんだもん!」って人はあまり上記は気にしないでもOK (´∀`)

三脚とレリーズ
三脚とレリーズは必需品

ブレた見本000193390010
ブレた写真

2. フィルムの選び方


フィルムの種類はネガでもポジでも基本的になんでもいですが、大事なのは感度です。
暗い状況下での撮影ですので、高感度フィルム(400以上)がいいと言えます。ただし被写体の明るさ、撮影の意図、そしてカメラの種類によって使い分けるといいです。
上の見本のようなかなり長い時間(10秒以上)露光する場合は、感度が高すぎると露出オーバーになりがちです。(LC-Aの最大F値が2.8と明るいことも一つの要因ですが)
HolgaやDiana 、Sprocket RocketのようにF値が暗いカメラの場合はなるべく高感度フィルムを使いましょう。
柔らかめで忠実な描写が好きだったらネガフィルム、硬めが好きだったりクロスプロセスで色合いの変化を楽しみたい場合はポジフィルム、情熱的な赤い色が好きだったらレッドスケールフィルムを選ぶとよいでしょう。(下の画像参照)
フィルム比較3
フィルムによる比較

3. 撮り方 ~通常の夜間撮影

まずは、夜の街の風景など通常の夜間撮影の方法です。(LC-A+を使った場合での説明です)
三脚をセットします。三脚はそれぞれの脚をしっかり広げて立てます。ぐらついていたり安定しないまま撮らないようにしましょう。そしてケーブルレリーズをカメラに取り付けます。
カメラの感度設定は基本的にはフィルムの感度と同じでよいです。ただし周囲の明るさにより露出は大きく左右されますので、感度を変えて何パターンか撮っておいたほうがよいです。

三脚&レリーズIMG_8618
三脚をセットしてレリーズを切る

4. 撮り方 ~バルブ撮影

続いては、一番上の見本の写真(高速道路)のような「バルブ撮影」の方法です。
バルブ撮影は、シャッターを押している間ずっと露光し続けますので、レリーズは不可欠になります。
ん? LC-A+ にバルブモードってあったっけ?No!ありません。HolgaやDianaのようなバルブ用の「B」のスイッチがありませんので、LC-A+で撮る場合には少し細工が必要となります。
それは、カメラの受光窓の部分を黒いテープで隠してしまうという方法です。これでカメラは真っ暗闇だと認識して、シャッターを押している間ずっと露光することができます。※テープを貼る際は、光が入ってこないようにしっかりと全体を覆ってください。
では撮影です。感度設定は最少(LC-A+なら100)にセットしてください。レリーズを好みの時間だけ押し続けます。指を離すとシャッターは閉じます。撮影時間は撮影意図により適宜変えてください。時間はタイマーか腕時計で計りましょう。もしバルブではなく自動露出で撮った場合、いつシャッターが閉じてしまうかわからないため、期待しているだけの光が十分にフィルムに与えられないかもしれません。なのでバルブ撮影が最適というわけです。
この場合でもあまり時間が長すぎると露出オーバーになってしまいますので注意が必要です。ただし、周囲が真っ暗な場合はあまり気にしなくてもいいです。周囲が街明りや月明りなどにより明るい場合は気を付けてください。この感覚はある程度慣れが必要だと思います(^_^)

受光窓を隠すIMG_8606
受光窓をテープで隠す

5. 露出のちがい

露光時間のちがいによりどうちがって見えるの見比べてみましょう。
下の2枚の写真は、露出時間を変えて撮ったものです。左は約10秒、右は約20秒露光しています。
フィルムはRedscale800(実質ISO100程度)、Holga使用。時間帯は日没後の宵闇です。
左は露出不足のため周囲の描写が不十分、さらに車の数も少なく迫力不足です。右は十分に描写されており、交通量もボリュームたっぷりです。
夜間撮影の露出は判断が難しいので、迷ったときは時間を変えて数枚撮りましょう。

露出比較
露光時間のちがいによる結果のちがい

6. 薄暮をねらえ!

長時間撮影をするのならぜひトライしてほしいのが「薄暮」(宵闇)の時間帯です。
マジックアワー(ブルーモーメント)とも呼ばれますが、日没後のまだ空の明るさがほんのりと残っているわずかの時間帯のことです。
この時間帯に撮ると、空の色は見た目以上に鮮やかな色(紫や青)に染まり、地上の世界は夜の魅力を映し出してくれますので、一度に二度おいしい世界を表現することができます。見た目には空は薄暗くても長時間撮影でとてもきれいな空の色になります。クロスプロセスだったら予想もしない素敵な色合いになるかもしれません。撮影方法はオートの露出で基本的にはいいと思います。

薄暮と真っ暗比較
薄暮と暗闇での撮影の比較

7. 応用編

より面白い夜の写真を撮るための応用編です。
さまざまなテクニックを駆使することで、より魅力的な写真を撮ることが可能です。
いくつかTipsを紹介していきますね。

・多重露光 ~シンメトリーに描く
多重露光(MX)のテクニックを用いて不思議な夜の世界を創り上げましょう。
ポイントとしては、三脚の雲台を「180度回転」させることです。通常の三脚では回転は90度までだと思います。そこで私は雲台を二個使用して、90度の回転を二回行って逆さまにセットできるようにしています。(画像参照)
または自由雲台を使ったり、また、画像のようにエレベーターの下から逆さまに取り付けるという方法もあります。
一回シャッターを押したら、カメラを三脚からいったん外してMXスイッチをひねって再度セットします(これがめんどくさい!)
かなり根気がいりますががんばってくださ~い ^^
カメラをさかさまにセット
カメラを180度回転させる方法

シンメトリー15
夜の多重露光(同じ場所で上下対称に2回撮影)

・多重露光 ~花と重ねる
さらに、私のお気に入りの多重、「花と重ねる」も夜の撮影にどんどん活用してみましょう。(花と重ねるテクニックについては当ブログの記事「花と重ねて撮る」もご参照ください)
花の写真は日中に撮っておきます。てことは一回きりのチャンス?いえ、私は通常花のみでフィルム一本撮って再度そのフィルムをカメラにセットしてあちこちで撮影しています。そうすれば何枚も続けて撮ることができます。

応用編-花と重ねる-31
花と重ねる(日中に花を2回撮影したのちトンネルで約10秒露光)

・フラッシュを使う
フラッシュを使って撮るという技です。
私は雪の降る夜の撮影でよくこの方法を使います。降っている雪玉をフラッシュで写し取ることができ、より幻想的な姿をとらえることができます。
いつでも気軽にできる撮り方だったら、夜景と人物です。モデルさんには露光している間じっとしてもらってくださいね。
フラッシュはロモグラフィー製の純正の物(Colorsplash Flashシリーズ)でもいいですし、お手持ちの他の物でもたいてい合うと思いますのでよかったらどんどん使ってみましょう。

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フラッシュを使う(3~4秒露光したのちストロボ発光)

・フィルムスープ
さらにサイケデリックな世界に踏み入れたい方は「フィルムスープ」です。
フィルムの化学変化による予期せぬ結果を楽しむというこの試みですが、夜の世界をスープすることでサイケさがより増してさぞかしブッ飛んだ作品になることでしょう :D
(フィルムスープについては当ブログの記事「フィルムスープについて」もご参照ください )

応用編-スープ000242960039-2
フィルムスープ(上下対称に2回露光したのちスープ処理)

・フィルムスワップ
人気のフィルムスワップ企画に夜の写真を織り交ぜることで二人の作品に深みが増してきます。
私の経験では日中の写真同士を組み合わせたものよりも成功率が高かったです。おそらく、明部と暗部がバランスよく現れるので重なりやすい条件といえるのだと思います。
機会があればぜひやってみましょう。

応用編-スワップ000252230015-2
Fotobes氏とのフィルムスワップ作品より(フィルム両面露光、どちらも長時間露光)

わかりましたか?
夜の世界はあなたが思っている以上に怪しくて素敵ですよ。ぜひやってみましょう♪
Enjoy your LX life!

※当記事は、私hodachrome/山本穂高がロモグラフィー上に投稿した記事を当ブログに掲載したものです(ロモグラフィーに確認済み)。日本人向けに加筆・修正等はじゃっかん加えておりますが、すべての著作権は私に帰属しておりますのでその点ご了承ください。
元の記事はこちら:ロモグラフィー:夜の世界を幻想的に写し取る by hodachrome

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テクニック講座:ローアングルのススメ

皆さんは撮影するときにどんな目線でカメラを構えていますか?
それは被写体によって、撮影意図によってもちろん変わってきますよね。でも私はどんな場合でも、どんなカメラでもいつでも心がけていることがあるんです。

それは「ローアングル」です。

目線を思い切って下げることで、見えてくる世界ががらっと変わって素敵な写真が撮れちゃいます。
今回のテクニック講座では、目線を下げることにより構図がどのように変わってくるかというTipsを紹介したいと思います。これはトイカメラに限らずどんなカメラでも通じるものですよ(^^)

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上の写真は、植物園で撮ったチューリップの花です。チューリップは高さが約30cm~70cmほどの小さな花ですが、なんだかとても大きくダイナミックに見えませんか?まるで下から豪快にニョキニョキッと伸びているかのように。これは、撮影するときに目線を思いっっっきり下げて、上を見上げて撮っているからなんです。それでは、主に花の撮影の例を挙げながら、撮影のときに抜群の効果を発揮するアングルについて説明していきたいと思います(^_^)

<写り方のちがい>
まず、いろんな場所でいろんな花を撮った下の比較写真をごらんください。
それぞれの段の左右の2枚は、場所は同じで、目線のみを変えて撮ったものです。目線が変わると見えてくる景色も大きく変わってくるのがわかります。

比較-小

<同じ場所でより細かく検証>
次に、同じ場所で目線をもう少し細かく分けた具体的な例を用意しました。①から順にみていきましょう。
①1枚目(約1.5m)は、悪くはない景色ですが、右の鉄塔が気になります。そこでそのポイントから徐々に目線を下げていきました。
②2枚目(約1m)では、後ろの木はおおむね隠れましたがまだ鉄塔が見えています。
③3枚目(約50cm)では、画面は花のみになりだいぶすっきりとしましたが、まだ花のボリュームが多く雑なように感じます。
④4枚目ではさらに目線を低くしています(約20cm)。ほぼ地面すれすれから見上げるような姿勢になります。花の背がとても高く見え、一輪ごとの存在感が強まり、そして空はダイナミックに大きく写るようになりました。
このように、目線を下げるということには、「見え方が変わる」ということはもちろんですが、さらにもうひとつ、「邪魔なものを隠す」という側面があることがわかります。

目線による写真の相違-小


<撮り方>
1. ベストな背景を選ぶ
それでは実際に撮るときのポイントです。カメラは何でもOKです。
まずは構図を決める際、背景のすっきりとした、なるべく人工物の少ないポイントを選びましょう。そして、光の差し込む角度をよく見極めて、もし晴天ならば青空がきれいに見える角度を選ぶようにしましょう。逆光で撮るとせっかくのきれいな花もはっきりと写ってくれませんよ。(花びらを透かして撮りたいのなら逆光でOK)

2. 形のよい花を選ぶ
次に、色や形のきれいな花を選びます。
形だけでなく、花同士の並びや重なり方にも十分気を使いましょう。しゃがんで見上げてよ~く観察してください。

3. しゃがんで見上げて撮る
いい場所が見つかりましたか?
それではポイントが決まったら撮影します。しゃがんだまま(または寝っ転がったまま)の姿勢で上を見上げて構図を決め、シャッターを切ります(けっこう首とかキツイですよ!)。もし、邪魔なものがまだ写り込んでいる場合は、もう少しがんばって目線を下げてそれらを花の裏側に隠してしまいましょう。花との距離が近いため、カメラによっては「距離モード」の設定に気を付けてください。

<応用編 -多重露光>
と、ここまでのことを踏まえたら、いつものように応用編を紹介します。
より面白い写真にするためにはやはり多重露光がお勧めです。下に典型的な例を載せています、ぜひチャレンジしてみてください。場合によってはスプリッツァーなどのアクセサリーを使って撮ると効果的です。もともと辛い姿勢なので二重露光となるとその辛さも二倍ですがぜひがんばってください(^_^;)
(多重露光については他のテクニック投稿、「花と重ねて撮る」や、「ちょっとブラして多重撮影(ちょいブラ)のススメ」もあわせてご覧ください)

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①同じ被写体を三脚を使わず二回露光する(ちょいブラ撮影)

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②スプリッツァーを使って、通常の持ち手と逆さまの持ち手で二回撮影(被写体はそれぞれ変えています)

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③上の②の例と同様スプリッツァーを使って二回撮影(中央を起点に)

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④Holga用のスプリッツァーで4回露光(被写体をそれぞれ変えています)

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⑤ローアングルの花(上部分)と通常アングルの花(下部分)による多重露光

わかりましたか~?
アイデア次第で面白い写真はたくさん撮れちゃいますよ(^^)
その季節、その場所にしかない素敵な花などを見つけたときは、ぜひ「ローアングル」を意識してトライしてみましょう♪

※当記事は、私hodachrome/山本穂高がロモグラフィー上に投稿した記事を当ブログに掲載したものです(ロモグラフィーに確認済み)。日本人向けに加筆・修正等はじゃっかん加えておりますが、すべての著作権は私に帰属しておりますのでその点ご了承ください。
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テクニック講座:レッドスケールフィルムの効果的な使い方

今回は、「レッドスケールフィルム」の効果的な使い方について紹介したいと思います。

レッドスケールフィルムとは、既存のフィルム(主にカラーネガフィルム)を「裏返して」セットしたフィルムのことで、通常とは反対のベース面から露光させることにより色合いが赤やオレンジに変化するという性質を利用した撮影方法の一つです。

そのレスケ(レッドスケールの略←勝手に名付けた)の効果的な使い方について、自分の経験をもとに具体的な例を踏まえて説明していきたいと思います。

晴天と曇天の比較2

上の写真は、晴れた日と曇った日に、同じ場所・同じフィルム・同じ設定で撮ったレッドスケールの写真です。
明らかに雰囲気がちがいますよね?皆さんはどちらが好きですか?人によってちがうかもしれませんが、私は下の曇ったほうが好きです。レッドスケールの赤色が強く出て写真に深みが出ています。上は赤色が弱く(黄色っぽく)、ギラギラした印象の写真です。
今回はテクニックというより、レッドスケールの使用に適した天気、光線や時間帯などについての考察といったほうがいいかもしれません。

1. 曇った日に撮る
レッドスケールフィルムの最大の特徴は、もちろん色が赤く染まるということです。
被写体の色調は赤を中心に黄色・オレンジ系に彩られます。上の比較見本では、晴れた日の写真は空の部分を中心にあまり赤くなっていません。これはなぜかというと、その理由の一つとして「空が青い!」という点にあると思います。
レッドスケールの赤と青空の青、この2色は、いわゆる「補色」の関係にあります。赤(Red)の対極にある色は青(Cyan)なので、赤い色を出そうとする場合、青色の被写体は赤を抑える色となってしまいます。結果、赤と青の中間のような中途半端な色合いになってしまいます。
それでは曇天の日(または雨の日)の場合はどうでしょうか。空の色は白またはグレーっぽくなります。そこに雲の形・グラデーションも加わってきます。レッドスケールの赤をそこに加えると、他の色に影響されることなく赤色が乗ってきます。雲によるグラデーションもしっかりとしたトーンを持って表すことができます。(レッドスケールはネガフィルムなので階調表現が豊かで、雲の形やグラデーションは、コントラストの強いカラースライドより深みを持って描写されます)
これが曇天の日にレッドスケールが向いている一つの理由だと思います。
さらに、曇天下ではコントラストが低下しますので、被写体本来の色が弱まります。適度に抑えられた色は、赤色を加えるには好条件だといえます。(ただしコントラストが低すぎるとメリハリのない見栄えの悪い写真になります)

曇り01-000199500005-2
曇った日の写真①

曇り-000242030024-2-2
曇った日の写真②

曇り03-000172530015-2
曇った日の写真③

2. 逆光で撮る
次に、逆光条件で撮るというのも効果的な撮り方のひとつです。
逆光で撮ると、被写体のコントラストは強まります。レッドスケールにおいて重要なことは、被写体の本来の色ではなくむしろ輪郭や形です。(細かな色はレッドスケールの色特性で均一化されてしまいます)
そこで、逆光条件でエッジを浮き立たせて撮るとダイナミックな写真が出来上がります。
被写体の内側部分(陰になる部分)に関しては、色情報が減り中間色からシャドーになります。そこに赤が混ざり合い、ほどよい色が乗ってきます。青空の下で撮る場合でも、逆光ならば空が白く飛んでくれるという効果もあります。
逆光で撮る、これも効果的な撮り方です。

逆光000212350009-2
逆光の写真①

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逆光の写真②

逆光000237470021-2
逆光の写真③

3. 夕日を撮る
そして赤色を強調するなら夕日(朝日)の撮影がまさにぴったりです。
レッドスケールフィルムなら、見た目以上の美しい叙情的な世界を手に入れることができます。
クロスプロセスでは思ったように赤くならないときや、ネガでは赤が物足りないとき、または思ったほど夕日がきれいじゃないとき(←実はこれがよくある)、そんなときはレッドスケールがあなたの味方になってくれることまちがいなしです(^_^)
ただし夕日の色が強すぎる(赤すぎる)場合は、レッドスケールを使うと色がつぶれて滲んでしまうことがあるの注意です。

夕日-クロスとレスケ比較2


夕日000188540024-2
夕日の写真①

夕日000243640022-2
夕日の写真②

逆光000207200020-2
夕日の写真③

4. 夜・暗い場所での撮影
夜や室内など、暗いロケーションでの撮影について。
夜の街並や道路、トンネルの中、屋内など、レッドスケールで収めると不思議で面白い写真を撮ることができます。適しているとまでは言えませんが独特な世界が表現できるためたまにやってみてもいいかも。
撮影の際は三脚を立て、ケーブルレリーズを使って長時間露光してみましょう。
赤く染まった情熱的な夜の世界が待ち受けています!

夜000227300004-2
夜・暗い場所の写真①(夜の撮影)

夜・室内000228150010-2
夜・暗い場所の写真②(暗い室内での撮影)

夜(トンネル)000230730008-2
夜・暗い場所の写真③(暗いトンネル内での撮影)

5. 晴れた日はクロス、曇った日はレッドスケール
最後に、私のふだんの撮影スタイルについて。
上記のように、晴れた日にはどちらかというとレッドスケールは向きません(もちろん合う場合もありますが)。
そこで、私は晴れた日にはスライドフィルムを多用し、曇ったり雨の日にはレッドスケールを多く使うようにしています。そうすれば、どんな天気の日にもそのフィルムに合った撮影ができることになります。
天気が悪いからといってくよくよする必要はありません。レッドスケールはそんなときに効果絶大なのです(^_^)/

晴天クロスと曇天レスケ比較2

わかりましたか~?
ぜひその時々の天候・状況によっていろいろと変えながら撮影してみましょう。
Enjoy your Redscale life!

※あわせてロモグラフィー内のこちらの記事もご覧ください。(このテクニックの元の記事です。各国語に対応しています)。

※当記事は、私hodachrome/山本穂高がロモグラフィー上に投稿した記事を当ブログに掲載したものです(ロモグラフィーに確認済み)。日本人向けに加筆・修正等はじゃっかん加えておりますが、すべての著作権は私に帰属しておりますのでその点ご了承ください。

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