テクニック講座:レッドスケールフィルムの効果的な使い方

今回は、「レッドスケールフィルム」の効果的な使い方について紹介したいと思います。

レッドスケールフィルムとは、既存のフィルム(主にカラーネガフィルム)を「裏返して」セットしたフィルムのことで、通常とは反対のベース面から露光させることにより色合いが赤やオレンジに変化するという性質を利用した撮影方法の一つです。

そのレスケ(レッドスケールの略←勝手に名付けた)の効果的な使い方について、自分の経験をもとに具体的な例を踏まえて説明していきたいと思います。

晴天と曇天の比較2

上の写真は、晴れた日と曇った日に、同じ場所・同じフィルム・同じ設定で撮ったレッドスケールの写真です。
明らかに雰囲気がちがいますよね?皆さんはどちらが好きですか?人によってちがうかもしれませんが、私は下の曇ったほうが好きです。レッドスケールの赤色が強く出て写真に深みが出ています。上は赤色が弱く(黄色っぽく)、ギラギラした印象の写真です。
今回はテクニックというより、レッドスケールの使用に適した天気、光線や時間帯などについての考察といったほうがいいかもしれません。

1. 曇った日に撮る
レッドスケールフィルムの最大の特徴は、もちろん色が赤く染まるということです。
被写体の色調は赤を中心に黄色・オレンジ系に彩られます。上の比較見本では、晴れた日の写真は空の部分を中心にあまり赤くなっていません。これはなぜかというと、その理由の一つとして「空が青い!」という点にあると思います。
レッドスケールの赤と青空の青、この2色は、いわゆる「補色」の関係にあります。赤(Red)の対極にある色は青(Cyan)なので、赤い色を出そうとする場合、青色の被写体は赤を抑える色となってしまいます。結果、赤と青の中間のような中途半端な色合いになってしまいます。
それでは曇天の日(または雨の日)の場合はどうでしょうか。空の色は白またはグレーっぽくなります。そこに雲の形・グラデーションも加わってきます。レッドスケールの赤をそこに加えると、他の色に影響されることなく赤色が乗ってきます。雲によるグラデーションもしっかりとしたトーンを持って表すことができます。(レッドスケールはネガフィルムなので階調表現が豊かで、雲の形やグラデーションは、コントラストの強いカラースライドより深みを持って描写されます)
これが曇天の日にレッドスケールが向いている一つの理由だと思います。
さらに、曇天下ではコントラストが低下しますので、被写体本来の色が弱まります。適度に抑えられた色は、赤色を加えるには好条件だといえます。(ただしコントラストが低すぎるとメリハリのない見栄えの悪い写真になります)

曇り01-000199500005-2
曇った日の写真①

曇り-000242030024-2-2
曇った日の写真②

曇り03-000172530015-2
曇った日の写真③

2. 逆光で撮る
次に、逆光条件で撮るというのも効果的な撮り方のひとつです。
逆光で撮ると、被写体のコントラストは強まります。レッドスケールにおいて重要なことは、被写体の本来の色ではなくむしろ輪郭や形です。(細かな色はレッドスケールの色特性で均一化されてしまいます)
そこで、逆光条件でエッジを浮き立たせて撮るとダイナミックな写真が出来上がります。
被写体の内側部分(陰になる部分)に関しては、色情報が減り中間色からシャドーになります。そこに赤が混ざり合い、ほどよい色が乗ってきます。青空の下で撮る場合でも、逆光ならば空が白く飛んでくれるという効果もあります。
逆光で撮る、これも効果的な撮り方です。

逆光000212350009-2
逆光の写真①

000186510021-2.jpg
逆光の写真②

逆光000237470021-2
逆光の写真③

3. 夕日を撮る
そして赤色を強調するなら夕日(朝日)の撮影がまさにぴったりです。
レッドスケールフィルムなら、見た目以上の美しい叙情的な世界を手に入れることができます。
クロスプロセスでは思ったように赤くならないときや、ネガでは赤が物足りないとき、または思ったほど夕日がきれいじゃないとき(←実はこれがよくある)、そんなときはレッドスケールがあなたの味方になってくれることまちがいなしです(^_^)
ただし夕日の色が強すぎる(赤すぎる)場合は、レッドスケールを使うと色がつぶれて滲んでしまうことがあるの注意です。

夕日-クロスとレスケ比較2


夕日000188540024-2
夕日の写真①

夕日000243640022-2
夕日の写真②

逆光000207200020-2
夕日の写真③

4. 夜・暗い場所での撮影
夜や室内など、暗いロケーションでの撮影について。
夜の街並や道路、トンネルの中、屋内など、レッドスケールで収めると不思議で面白い写真を撮ることができます。適しているとまでは言えませんが独特な世界が表現できるためたまにやってみてもいいかも。
撮影の際は三脚を立て、ケーブルレリーズを使って長時間露光してみましょう。
赤く染まった情熱的な夜の世界が待ち受けています!

夜000227300004-2
夜・暗い場所の写真①(夜の撮影)

夜・室内000228150010-2
夜・暗い場所の写真②(暗い室内での撮影)

夜(トンネル)000230730008-2
夜・暗い場所の写真③(暗いトンネル内での撮影)

5. 晴れた日はクロス、曇った日はレッドスケール
最後に、私のふだんの撮影スタイルについて。
上記のように、晴れた日にはどちらかというとレッドスケールは向きません(もちろん合う場合もありますが)。
そこで、私は晴れた日にはスライドフィルムを多用し、曇ったり雨の日にはレッドスケールを多く使うようにしています。そうすれば、どんな天気の日にもそのフィルムに合った撮影ができることになります。
天気が悪いからといってくよくよする必要はありません。レッドスケールはそんなときに効果絶大なのです(^_^)/

晴天クロスと曇天レスケ比較2

わかりましたか~?
ぜひその時々の天候・状況によっていろいろと変えながら撮影してみましょう。
Enjoy your Redscale life!

※あわせてロモグラフィー内のこちらの記事もご覧ください。(このテクニックの元の記事です。各国語に対応しています)。

※当記事は、私hodachrome/山本穂高がロモグラフィー上に投稿した記事を当ブログに掲載したものです(ロモグラフィーに確認済み)。日本人向けに加筆・修正等はじゃっかん加えておりますが、すべての著作権は私に帰属しておりますのでその点ご了承ください。
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