テクニック講座:花と重ねて撮る

今回は、「花と重ねて撮る」という多重露光のテクニックについて説明したいと思います。

多重露光は、幻想的な世界を生み出すことのできる人気かつ定番の撮影方法です。
いろいろなテクニックがありますが、私は花と風景を組み合わせて撮るのが特に好きです。
街の風景と花、工場と花、枯れ木と花、人物と花…など組み合わせはいろいろ。その組み合わせ方やアイデア次第で、より幻想的な世界を作り上げることが可能です♪
まずは下の写真をごらんください。

000242220001.jpg
カメラ…LOMO LC-A+ フィルム…Lomography X-Pro100 現像…クロス現像

この写真は、教会とチューリップの花を組み合わせて多重露光した写真です。それぞれのイメージがしっかりと重なり、カラフルで幻想的な結果になりました。
その季節にしか咲かない花、そのときにしか出会えない風景などを見つけたらぜひ多重露光をしてみましょう。
それでは多重写真を撮るためのいくつかのTipsを紹介していきます♪

【必要なもの】
1. カメラ(LC-A+、Holga、Dianaなど、多重露光の容易なカメラがおすすめ)
2. フィルム(基本的になんでもOK、ただ低感度、高感度すぎるものは向きません)
3. 場合によってはスプリッツァー

1. 天気について
まず天気の話から。
多重露光をするときに気をつけることは「明るさ(光の量)」です。それぞれのイメージがうまく重なり合うためには、適切な光をフィルムに与えてあげなければいけません。
ポイントは、「曇天」と「逆光」です。
まず、曇天についてですが、私は花を組み合わせるときは「曇りのとき」、または「日陰」の花をよく選びます。これは、コントラストが下がることにより花びらの明るさのみが浮き上がり、葉っぱ・枝等の周囲の部分が暗くなるという効果をもたらし、多重にはもってこいの条件となるからです。
建物についても同様です。曇天下のほうが建物部分が暗くなり重ねやすくなります。
逆光についてですが、これは建物など風景の撮影には適しているといえます。
強い太陽光を受け、被写体のコントラストは強くなります。空の部分は明るいですが、建物の部分はとても暗く落ち込みますので、次に花と重ねるのには好条件となります。(一番上の見本写真がそうです)

日陰と日なたの比較2

2. 花が先?建物が先?

これはよく聞かれる質問です。
私の考えではどちらが先でもいいです。要はそれぞれの被写体の「より明るいほう」がフィルム上に映し出されるわけです。その露出のバランスさえまちがえなければどちらが先でもよいのです。
私は同じ場所、同じ条件で順番を変えてよく数枚撮りますが、ちがいは感じられません。

花が先と教会が先

3. 花の選び方
花の選び方には少しだけ注意点があります。
なんでもいいというわけではありません。できるだけ明るい(すなわち、反射率の高い)花を選んでください。
例えば、ユリ、ひまわり、コスモスなど(黄色やピンク系の花)。
明るい条件なら赤い花でもOKです(バラ、チューリップなど)。(ただしレッドスケールやモノクロフィルムではあまり向きません)。
あまり適さないのが、濃い青や紫などの反射率の低い花です。
そして、花の周り(葉っぱや枝、土の部分など)の明るさにも気をつけましょう。周囲が明るすぎると花が目立たなくなります。

いろんな色の花の比較

4. 風景・建物の選び方
曇天下や逆光下ならあまり気にしないでもいいですが、なるべく暗い(反射率の低い)色の風景・建物を選ぶのがポイントです。
白い建物(教会等)はどちらかというと向かないです。形、輪郭のよさを重視して選びましょう。

5. 撮り方
※カメラはLC-A+にて、フィルムはISO100のスライドフィルムを使用した場合で説明します。
・花の撮り方
背の低い花はなるべく上から見下ろすようにして均一にフレーミングしましょう。
背景を空にすると多重される風景・建物まで飛んでしまいがち(白飛びしがち)になります。下から見上げるのではなく、上から見下ろして撮るのが効果的です。
小さな花のときは距離モードを0.8mにして花をなるべく大きくして撮りましょう。
花以外の余分なものはなるべく入れないようにします。(暗いものなら入ってもOK)
感度設定ですが、一番上の写真のときは晴天下で明るく見えたためISO200で撮りました。(撮影距離モード0.8m)
そのときの明るさにより変えます。

見下ろして撮る、見上げて撮る

・建物・風景の撮り方
建物などの風景を撮る際に一番大事なのは、その建物の輪郭・エッジです。
シャドー部分(建物の内側)は花と重なる部分なので、建物の色などの情報はあまり細かく気にする必要はありません。輪郭の美しく見えるアングルを重視してフレーミングしましょう。
感度設定は、一番上の見本の写真ではISO100で撮りましたが、これもそのときの明るさにより変えます。
露出オーバーになりすぎなければよいので、あまり露出をアンダーにする必要はありません。
建物のディテール部分まで見せたいときは露出の調整が必要になります。
迷ったときは、ISOの設定を変えて何枚か同じ場所で撮っておきましょう。私はいつもそうしています (^_^)
ISOの設定次第で結果は大きく変わってきます。(下の画像参照)

露出比較

6. スプリッツァーも使ってみよう
スプリッツァーを使うことでより効果的に、かつ面白く撮ることができます。
・余分な部分を隠す
花を撮るときに、余分なものが入ってしまうときがあります。そんなときはスプリッツァーで半分を隠して花だけで二回撮りましょう。花を増やすことにもなりボリュームがよりアップします。

スプリッツァーを使う

・風景をシンメトリーに描く
スプリッツァーを使って風景を対照的に二回撮り、さらに花を重ねるというテクニックです。
下の写真では、風景(工場)を上下対称に二回撮り、さらに花を重ねることでより幻想的な雰囲気となっています (^O^)

スプリッツァーで風景を二回-写真のみ-文字付

わかりましたか~?
ぜひやってみましょう。素敵な花、魅力的な風景に出会ったときはチャンスですよ♪
下の写真は、上記のテクニック・アクセサリー等を使って撮影した写真です。ぜひご参考にしてください(^_^)

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1. 逆光下で撮った街並みと花(ISO100フィルム、クロスプロセス)

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2. 曇りの日に撮った木(2回露光)と花(ISO400レッドスケールフィルム)

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3. 逆光下で撮った彫刻と花(ISO100フィルム、クロスプロセス)

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4. 半逆光下で撮った建物と花(ISO100フィルム、ネガ現像)

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5. 曇った日に撮った街並みと花(ISO64タングステンフィルム、クロスプロセス)

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6. 曇った日に撮った風景と花(ISO100フィルム、クロスプロセス)

※当記事は、私hodachrome/山本穂高がロモグラフィー上に投稿した記事を当ブログに掲載したものです(ロモグラフィーに確認済み)。日本人向けに加筆・修正等はじゃっかん加えておりますが、すべての著作権は私に帰属しておりますのでその点ご了承ください。
元の記事はこちら:ロモグラフィー:曇った日にはレッドスケール! by hodachrome
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テーマ : トイカメラ - ジャンル : 写真

コメント

No title

すごくわかりやすいよ^^

Re: No title

akikoさん、こんにちは(^_^)/
ありがとうございます。画像やイラスト入りで説明するとわかりやすいですよね。またときどきテクニック記事を紹介していきますね♪
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