テクニック講座:フィルム両面露光(EBS)について

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フィルム両面露光(EBS)は、ロモグラフィーの数ある撮影テクニックの中でも独特で変わったもののひとつです。私はこのテクニックを使って、上の写真のような上下対称(左右対称)のシンメトリーな写真を作るのがお気に入りです(^_^)

質問も多いので、今回その方法・手順について説明したいと思います。

【準備する物】

・カメラ(なんでもいいですが、コマの送り幅にばらつきのないものがベター)
※ここでは基本的にLOMO LC-A+を念頭に置いた説明をしています。
・フィルム(ISO400以上の高感度のカラーネガフィルム、LC-A+ならISO800推奨)※カラーネガです、リバーサルフィルムではありません
・レンズ前を覆うためのスプリッツァー(なければ黒いテープなどでOK)

①【前準備】
フィルムの先端を下の写真のようにカットします。
これは一回目と二回目のフィルムセット位置を同じにするために形状を揃えてわかりやすくするためです(必須ではないですが私はそうしています)。

フィルムの先端をカット


②一回目(通常面)のフィルムをセットします
カメラの状態は必ずフィルムを巻き上げて止まった位置の状態にしておきます。
フィルムの先端を右のスプール(芯)の位置まで出します。
下のギアの噛みあう位置は4番目か5番目ぐらいになると思います。その位置にマジックで丸をつけておきます。これで二回目のセットがしやすくなります。
フィルムにたわみがないようにピンと張っておきます。(巻き戻しクランクを回してたわみをなくします)
カットした先端はスプールの切れ込み(溝)に入らないため、セロテープでしっかりとスプールに貼りつけます。
裏ぶたを閉める前にデジカメでその状態の写真を撮っておきます。
そして裏ぶたを閉め、シャッターを押し、巻き上げノブを回します。このとき少しでも空回り(巻き始めるまでの遊び)のような感触があった場合はもう一度入れ直します。

EBSのセット方法-日本語2


③撮影をします
なるべく天気の良い明るい日に撮影をします。
(私が通常使用するISO800のフィルムの場合で説明します)
感度設定はLC-AならばISO400で。(適正または多少オーバー気味の設定で。カメラにより変えてください)
被写体は、見本写真のようなハイコントラストで背景のすっきりしたものを選ぶとよいです。
ポイントとしては「青空」を入れると結果がより引き立ちます。順光で撮って被写体・空の色をしっかり出しましょう。
横位置、タテ位置いずれの場合もレンズの「下半分」はスプリッツァー(または黒テープ)で覆ってマスクします。

Image of process-EBS-2-日本語

④撮影中の注意事項

撮影中は、撮った順番・細かなアングル等をしっかり覚えておく必要があります。
私は携帯電話のメモ帳に全ての詳細をメモしています。(例...右から3番目の木の横からしゃがんで、ISO400で、etc)
そして、必要ならば携帯電話のカメラでそのときの構図を撮っておきます。(これが確実かも)
撮影の際は、同じ場所で1枚だけでなく3枚ほど同じカットを撮るようにしておくと、そのうちどれかがOKってことが多いです。

⑤一本撮影後、裏返します
撮り終わったらフィルムを巻き戻します。
暗室にそのフィルムを持っていき「裏返し」ます。
私は専用の詰め替え可能なパトローネを使っています。ない場合は通常のフィルムのラストの1カット分ぐらいに裏返したフィルムを貼り合わせて入れてください。
フィルムの先頭と後ろを取り違えないでください。先頭は先頭、後ろは後ろのままです。フィルムの裏表のみをひっくり返すだけです。
これでそのフィルムは表裏が逆のフィルム(いわゆるレッドスケールフィルム)になりました。感度は元の感度より約2段低下しています。(800ならば200)

Image of process-EBS-3-日本語

⑥二回目の撮影のためフィルムをセットします
一回目と正確に同じ入れ方をします。携帯で撮っておいた写真を参考に慎重にセットします。ギアの噛んでいる穴も同じです。フィルムのカーリングが逆に働くため入れにくいですがここは丁寧に作業します。
裏ぶたを閉め巻き上げます。一回目と同様、巻き始めに遊びがないか感触を確かめます。

⑦二回目の撮影を始めます
一回目と対照的に天気の良くない日(曇天)に撮ることをお勧めします。
これはレッドスケールそのものが曇天下での撮影に適しているということと、好天で撮った一回目の絵に対して対照的なコントラストを引き出すためでもあります。(被写体によってはどちらでもかまいませんが)
感度設定はISO200か100で。

Image of process-EBS-4-日本語

⑧二回目の撮影の際の注意事項

・一回目と同じ順番、同じアングルで撮ります。
・横位置の撮影の場合は、カメラの構え方は一回目と同じです。タテ位置の場合は一回目と逆向きに構えてください。
・メモや、記録しておいたデジタル画像を確認しながら慎重に撮ります。
・一回目と同様、レンズの下半分はスプリッツァーでマスクします。

⑨撮影後、現像します
ネガフィルムのため、通常のC-41現像でOKです。特別な指示は必要ありません(ただし、ラボによっては外注に出すところもあるようなので説明はしたほうがよさそうです)。
コマとコマの間のずれは多かれ少なかれ発生しますので、ネガの取り込み時にはフィルムのスキャン位置に注意する必要があります。
必要に応じて左右の不揃いな部分をトリミングしてください。

と、こんな感じのやり方になります。
どうですか?フィルムならではの赤と青のシンメトリーな世界を作ってみたくなりませんか?
難しいチャレンジですが成功したときは最高ですよ。
ぜひやってみてください!

※当記事は、私hodachrome/山本穂高がロモグラフィー上に投稿した記事を当ブログに掲載したものです(ロモグラフィーに確認済み)。日本人向けに加筆・修正等はじゃっかん加えておりますが、すべての著作権は私に帰属しておりますのでその点ご了承ください。
元の記事はこちら:ロモグラフィー:M「Exposing Both Side of the Film (EBS)」によるシンメトリー写真の撮り方 by hodachrome
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